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バルニバービが淡路島でエリア開発をするワケ。淡路島ノースウエストエリア開発いよいよ始動

バルニバービが淡路島でエリア開発をするワケ。
淡路島ノースウエストエリア開発
いよいよ始動

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1軒のカフェから始まった街づくり、そして地方創生へ。 老齢化、人口減、限界村落、社会インフラの耐久性、自然災害リスクなど様々な社会課題に直面する中で、バルニバービが考える『飲食事業者が果たせる役割』とは?

バッドロケーションから始まった1軒のカフェ

1995年、人もまばらな問屋街だった大阪・南船場に一軒のカフェレストラン「アマーク・ド・パラディ」が誕生した。当時は他の飲食店が見向きもしない"バッドロケーション"だったにもかかわらず、やがて繁盛店となり、ランドマークとして脚光を浴びたことでライフスタイルを提案するショップが周辺に次々と集積し、街は大きく変貌を遂げることとなった。

創業当時の「アマーク・ド・パラディ」
創業当時の「アマーク・ド・パラディ」

『ぼくはわざわざ行きたくなる店を作りたかったんです』 代表の佐藤はこう言う。

"バッドロケーション"― これは言葉通りの悪いロケーションということではなく、一般の外食従事者の視点でみると店前通行量が少ない、駅から遠いなどの"バッド"な環境であるが、水辺や公園など周辺環境に恵まれた最高にグッドなロケーションを逆説的にそう呼んでいる。

元印刷工場のテラス
元印刷工場のテラス
ガーデンピッツェリアとして生まれ変わった「AOI NAPOLI」
ガーデンピッツェリアとして生まれ変わった「AOI NAPOLI」

―道のある所に店を出すのではなく、店を出した後にお客様のくる道が出来る―

その信念と共に1軒1軒オリジナルなコンセプトの店をつくり続け、今全国に90店舗以上を構えるまでになった。そう、「人を集める」のではない。きたいと思うものがあれば「人は集まる」のだ。

イケイケ会社と思われがちなバルニバービが、なぜいま淡路島なのか?

始まりは2013年。淡路市や地元企業と連携し、淡路島の食材を活かしたメニュー提供やマルシェの開催などを定期的に行い、食材の宝庫とされる淡路島の魅力発信を東京の各店舗を中心に展開してきた。2019年4月には淡路島西海岸沿いに300 席のレストラン「GARB COSTA ORANGE」を出店。まだ冬の寒さが残る2,3月でも、地元の方はもちろん、遠方からの来店が連日絶えない。

淡路島ガーブコスタオレンジの賑わい
「GARB COSTA ORANGE」オープン前の行列の様子
淡路島ガーブコスタオレンジの賑わい
「GARB COSTA ORANGE」賑わいの様子

なぜこんなにも人は訪れるのか?そこには「地方創生」という言葉に隠された盲点があると佐藤は言う。

『結局街って、楽しいところに人が集まる。』

よくバッドロケーションは山奥でもやるのですか?という質問を受けることがある。極端ではあるが、そこに街があり、人が生活していればやるかもしれない。(物理的な環境なども考慮したうえで、であるが) 人が集うには"場"が必要であり、カフェはまさしく典型的な"集う場"だ。

楽器の倉庫だった築50年の建物
楽器の倉庫だった築50年の建物
オープニングパーティーでは雨の中、700人の来場があった(蔵前・MIRROR
オープニングパーティーでは雨の中700人の来場があった(蔵前・MIRROR)

単に喉を潤す、腹を満たす、という機能だけではなく、コーヒー一杯でも、ワイン片手に少しアペリティフを楽しんだり・・・いろんな年齢や職業の人がやってきて、コミュニティが生まれる。1杯のカフェでいろんな人が何かを語り合うことで生まれていくソサイエティ、コミュニティみたいなもの。それが「街」なのだと佐藤は言う。 ではその街を形成していくには何が必要なのか? 答えはとてもシンプルだ。

「ないもの探しはやめましょう。そして『あるもの気づき』をしましょう」

―人が集い、笑い、食し、恋をする。住まい、家庭を築き、子供を育み、未来を見つめる。―

『地方創生』は、そんな当たり前のことを忘れ、本当の人の思いを見つめず、表面的な形を整えようとした結果、人の思いが届かない、もしくは一瞬の開業時しか心を掴めないものになりがちだ。

淡路島に来たことがない、もしくは通り過ぎていただけならぜひ一度訪れてほしい。形容できないほどの美しい夕日や、温暖な気候に育まれる農産物や瀬戸内の海の幸をはじめとした食材などに恵まれたリゾート地としてのポテンシャルあふれる場所なのだ。

形容できないほどの美しいサンセットを望む「GARB COSTA ORANGE」
形容できないほどの美しいサンセットを望む「GARB COSTA ORANGE」

昨今の新型コロナウィルス等による予期せぬ経済悪化を通して、都市一極集中型の効率性を追い求めたビジネスモデルは弱点が露呈してきたといえる。事業の継続だけでなく、リモートワークやテレワークなどの普及により今までの生活様式もガラッと変わっていくかもしれない。 そんな今だからこそ、これまで以上に地方に都市機能が分散していくプロジェクトを進めていく必要があると僕らは思う。それは単純に地方にカフェを出店し、雇用を生み出し・・ということではない。老齢化、人口減、限界村落、社会インフラの耐久性、自然災害リスク、地域コミュニティの崩壊・・・そんな中、それらの要素を鑑みた上で、我々飲食従事者が果たせる役割はまだまだ計り知れないのだ。 日本の各地方それぞれの持つもしくは忘れられている能力を見つめ直し、その街にしかない最高の魅力あるプロジェクトを「食」を基盤として創り出し、新しい街おこしを進める。

進行中の淡路島西海岸沿いの場所、ここから新たな賑わいが生まれる
進行中の淡路島西海岸沿いの場所、ここから新たな賑わいが生まれる

今夏、淡路島ノースウエストでいよいよ始動します。

WRITER 福地 恵理

学生時代からフリーランスでレストランサービスに携わり、外食一筋20年。10社以上多種多様な飲食店でのホールサービス、レセプショニストとしての経験を積み、2010年㈱バルニバービ入社。代表秘書と広報を兼務し、2015年同社上場後はIRも包含した企業広報を担当。2019年広報・情報の専門職大学院「社会情報大学院大学」修了。広報・情報学修士(専門職)。