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個性の塊軍団
最初に話を聞いたのは当時pintinoの店長の一人であった坂本だ。pintinoのスタッフたちを坂本は“個性の塊軍団”だったと話す。![](/story/uploads/2018/08/post_mainImg_sakamoto1.jpg)
東京タワー下のガーブ ピンティーノに入社し、閉店の前には店長も務める。小石川の青いナポリ、GOOD MORNING CAFE錦町などの店長を経て、現在、イベントの企画・運営、新店舗立ち上げや新規プロジェクト立ち上げなどに携わる。 坂本:スタッフ全員がpintinoをイケてる店にしようって想いがあった。ギラギラした雰囲気で、一人ひとりがキラキラ輝いてたよ。お客様もスタッフめがけて来店してくださる方も多かった。もっと良くしようって毎日思ってるんだよね。もっと美味しくしよう、もっとスムーズにサービスしようとか、昨日より今日、今日より明日。それが積み重なったら、やっぱりすごい店になるよね。スタッフの熱気がすごかった。想いが強いからぶつかることも少なくなかったけどね。 場所と環境もあるけれど、人が店を強くする。今回の取材で一番聞いた声かもしれない。ただ、pintinoのスタッフも初めから最高のサービスを行えていたかというとそうではない。坂本もpintinoで初めて飲食業に触れた。入社当初はお皿を3枚持つこともできなかったという。坂本だけでなく、そういったスタッフは多かった。けれど、pintinoの中で想いとスキルを育てていく。 坂本:pintinoって東京1号店でまだ店舗数も少なく、社長がより身近にいてくれた。「イケてる店つくろうね。お客さんに楽しんでもらえる店やろうな。楽しんでやろう」って常々言ってくれてたから、スタッフみんなが同じ方向向けていたんじゃないかなって思うんだよね。社長がリーダーとしてイメージを伝えて続けてくれたから迷わずにpintinoでのサービスをみんなが自信を持って提供できてたんだと思う。 坂本はpintinoは自分の中で失敗の経験をした店だと話す。迷わずチャレンジしたからこそぶつかり、失敗したこともあった。けれど失敗とは動いた人にしかできないことだ。さらに坂本は今のスタッフは“ちゃんとやろう”としてる人が多いように感じると話す。 坂本:当時のちゃんとやろうっていうちゃんとっていうのは、別にオペレーションがどうとかっていうことではなくて、中途半端なことするなよっていう意味だった。要は気合を入れて盛り上げていこうぜ!っていう意味だったんだよね。でも、今のスタッフはミスしないようにだとか、あれをしてこれをしてその後にこうしなきゃみたいにね。作業として考えてしまっている気がする。 坂本はpintinoで“自分らしくやったらええやん!”と先輩みんなに言われていたという。自分らしく個性を殺さず、自らイケてる店にするにはどうしたらいいかということを考える。それこそが伝説と呼ばれたpintinoのスタッフたちの核だ。
想いを形にする強さ
閉店半年前に入社した山下もまた「いかに人が大事か」ということについて話してくれた。![](/story/uploads/2018/08/post_mainImg_yamashita1.jpg)
閉店の半年前に入社し、シェフ松城とともにガーブピンティーノの料理を担当。GOOD MORNING CAFEなどのシェフ、グループ会社の取締役を経て、現在、新店舗の立ち上げや全店舗の料理のクオリティを保つため教育や人事を担当。 山下:松城さんの企画でWeekly HEROっていうのを毎週やってたんだよね。投稿BOXがあって、その週一番イケてた輝いていたやつを一人投票していくの。それで月曜日の夕礼で発表する。すげぇいい企画でさ、一番上でやってるやつだけがフューチャーされるんじゃなくて、誰も気づかないようなとこでしっかり考えてくれてる人が発表されたりする。そういう人が店にとってどれだけ大事なことをしてるのかっていうのが企画を通して気づくことができたんだよね。 飲食店のサービスは多岐に渡る。どこからどこまでがサービスだという定義はない。自ら探り考え行動し、そしてお客様が喜んでくれたら、それが最高のサービスとなる。山下は当時のスタッフの話をしながら現在感じている危機感についても語った。 山下:店舗が増えて、人が増えてきたら、もちろん辞めるやつも出てくる。理由を聞くと“つまらないから辞める”っていうやつもいるんだよね。もちろん教育していた自分にもできることがあったと思うけど、じゃぁ自分で面白くしようっていう発想にはならないのかなって思う。pintinoにそういうスタッフはいなかったからさ。少し受け身すぎるっていうのかな。 当たり前にすることの当たり前のレベルが下がっているように感じるとも山下は話した。山下はpintinoのレベル、センスの高さに感動した。 山下:何が素晴らしいってきちんとpintinoは高級レストランをカジュアルダウンしている業態という意味合いがスタッフみんなわかってたんだよね。そういうセンス高いところがかっこいいなって思ったの。 気軽に来店できるがサービス、料理は一流。スタッフとお客様の距離感も適度でカジュアルではなくpintinoは「カジュアルダウン」させている店だ、ということの意味。それを各々が感じ、社員だけでなく週1のアルバイトでさえも考えて行動していた。 山下:毎日の営業もそうだけど、人って頭の中で考えていることあるでしょ。こうしたらいいサービスになるんじゃないかとか、こうしたらもっと美味しくなるんじゃないかとか。イメージや想い。それを形にすることの強さをpintinoでは学んだと思う。抽象的な話だから、今いるスタッフにこうするんだよって言ってあげられないのがもどかしいし、だからこそ難しいことなのかもしれないよね。まずは自分の考えを伝えることから、かな。意見をぶつけ合ったら違うことも見えてくるかもしれない。そうして形にする方法を見つけていく。やっぱり人がいかに大事かっていうことだよね。バルニバービの最大の武器は人だからさ。
GARB pintinoというお店
松城は唯一、シェフとして当時も今もpintinoで腕をふるっている。GARB pintinoと言えば松城。そうしたイコールが出来上がっているかもしれない。当時予約がとれないという話はいたるところで聞くが、最初は寂れていたと松城は教えてくれる。 松城:最初はガラガラでしたよ。東京の人やって「東京タワーなんかわざわ行かん」みたいな感じやったし。予約で満席になりだしたのは確か半年超えたあたりくらいから。東京タワーのリニューアルオープンとか色々イベントが重なりだして注目された。 スタッフが最高。そのことについても聞いた。なぜ、そんなにみんなで同じ方向に向かっていけたのか。 松城:やっぱり、佐藤社長がいたのが大きい。なんでpintinoのスタッフたちは店に対して愛があるんですかって言うけど、愛しかなかった。飲食経験者も未経験者もソムリエも、いろんなやつらが集まって、そういうやつらの共通項っていったらやっぱり愛やし。徹底的にそれのみで繋がったメンバーだったからやと思う。そういう愛っていう形と繋がりをつくったのは間違いなく佐藤社長。その上にソムリエがいたり、料理人がいたり、コーヒー好きな子がいたりね。当然やめてった子もおるよ。繋がった人は残るし繋がらなかったは人はやめた。それだけやと思う。 立ち上げからpintinoに関わる松城は店への想いも強い。賃借契約が更新できずクローズしたときどんなことを思い感じていたのだろうか。![](/story/uploads/2018/07/pintino_m.jpg)
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大人のためのカジュアルフレンチ
GARB pintino(ガーブ ピンティーノ)
garb-pintino.com
運営会社:バルニバービ・スピリッツ&カンパニー株式会社 “気取らず自分スタイルで 食とお酒を楽しむ”がコンセプト。 仕事終わり仲間とのチョイ飲みは賑やかにカウンターを囲むバーエリアで。 しっかりビストロランチ&ディナーの時は寛ぎ感あるダイニングがおすすめ。もちろん、シガーやモルトを楽しむサロン使いもOK。 新鮮な国産の食材を活かした料理、選りすぐりのワインと共に過ごすとっておきの時間。まさに日常のサプライズと安堵感があいまった、大人のためのカジュアルレストラン。 東京タワー前にあった当時のコンセプトはそのままに、この街に息づく歴史や 景観を取り入れ形づくるのは、より深化した寛ぎと賑わいの空間。 東京都千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 2F 3-22 Kanda Nishiki-cho, Chioda-ku, Tokyo Terrace Square 2F 03-3233-0350 [Mon-Fri] LUNCH / 11:30~14:00(l.o.) DINNER / 17:30~22:00(l.o.) [Sat&Holiday] 予約営業のみ