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会社は誰のもの?

会社は誰のもの?

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スタッフにとって会社とは、 「会社のモノ・他人のモノ」【第一ステージ】 「自分達のモノのようなモノ」【第二ステージ】 「自分たち(我々・We・一人称複数形)のモノ」【第三ステージ】 という「3段階の見方をしている」のだろうと考えています。 第一ステージが1番多いのは当然ですよね。良くも悪くも会社組織の有様ですから。 その中でバルニバービは【第二ステージ】が多い組織になっていると思います。 その子達を第三ステージに上げること、第一ステージで止まっている子には、本質を気付かせてあげることで第二、第三へと導いていくことが我々経営者の課題です。 「経営者になったつもりで頑張れ!」耳にする言葉です。でもそれを唱えるだけでは根本的に何も解決しません。経営者の振る舞いを要求され、状況、待遇は被雇用者のまま…。これでは会社からの一方的な都合のいい押し付け以外の何ものでもありません。 例えば「今日の忙しさなら(想像や想定、予測も含めます)ホール5名キッチン5名合計10名で運営できる!」という判断を的確にできる責任者と「ホールとキッチンにもう一人づついれば、まあやれるよなぁ…」というレベルの責任者の場合、その判断の違いで、1日あたりの人件費は約3~4万円変わってきます。そして、そういった判断が必要な日(スローな日)が1ヶ月に10日あれば、月で3~40万円、年間で400万円程度もの人件費の変動となってきます。運営責任者としての判断ができるかどうかで、それだけ変わってくるのです。しかし、その判断を「義務として、もしくは業務として行え!」といっても難しい…。 当然スタッフが多いほうが各スタッフのタスクは減り、業務は楽になるからです。それでは、どうすればその判断をできる組織になるのでしょうか?それには、判断により生み出される利益をその該当者、つまり責任者も受け取ることが出来るかどうかが大事になってきます。追加利益を当事者がシェア出来るシステムになっているかどうかということです。 また同時に少ない人数でも、同等もしくはそれ以上のサービスを提供できるように、オペーレーションのシステムや設備・備品の改良といった「創意工夫」を求められる経験も生み出します。まさしく経営者への道です。 日本の多くの個人商店は、血の滲むような経営努力や創意工夫を行いながらお店を運営されています。強い思い、たゆまぬ努力により結果、繁盛を生み出すのです。まさしくバルニバービはそういった素晴らしき個人商店の連合体となることを目指しています。 (次号に続く)

WRITER 佐藤 裕久

京都市上京区生まれ。神戸市外国語大学英米語学科中退、1991年 バルニバービ設立、代表取締役に就任。現在、東京・大阪をはじめ全国に90店舗(2021年1月末時点)のレストラン・カフェやスイーツショップを展開。著書に『一杯のカフェの力を信じますか?』(河出書房新社)『日本一カフェで街を変える男』(グラフ社)がある。