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仲間をつくりたい。そのための種まき【ソムリエ】

仲間をつくりたい。そのための種まき【ソムリエ】

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こんにちは! 研究員の鎌田です。バルニバービでは社長に始まり、ソムリエやバリスタ、ウェディングプランナーによる社内講習が行われています。Balni Teachersでは講習を行う講師をPick UP! 第1回目はソムリエ 岩崎さん。彼女がワイン講習を行う理由とは?

やりたいことがある、そのための仲間作り

岩崎 仲間をつくりたい。もちろん後世を育てたいっていうのもあるけど、いいと思ったワインをその想いをお客様に届けるためには一人では難しい。だから仲間を作ろうと思った。

岩崎さんはワイン講習を始めた理由を上記のように語りました。岩崎さんが入社したのは2012年、GARB 江ノ島の立ち上げの際です。前職で和食店の店長経験がありましたが、入社時はまだソムリエの資格を持っていませんでした。

岩崎 料理が美味しいとか手が込んでいるとか、普通の人でもシェフを評価することができるでしょ。でも、サービスの評価は難しい。もちろんベテランと新人ではスキルの差が違うけど、ベテランになってしまうとお客様との相性だったりする。この人は好きだなぁとか。だから指標となるような何かが欲しかったんです。バルニバービは洋食がメインだから一般認知度の高いソムリエを取ろうと思った。

運営推進部 岩崎 麗 2012年 入社 GARB 江ノ島にてサービスを担当。同年ソムリエを取得 現在は運営推進部にてワインを始めとする飲料の監修を担当

実はこの時、関東の店舗ではソムリエが一人もいませんでした。岩崎さんはソムリエの資格を取り、まずGARB 江ノ島のワインリスト作成を担います。そして徐々に関東の店舗の飲料の監修を任されるようになりました。

岩崎 他の店舗も一緒でまずはワインリストを整えていきました。お店の子にこうやってお客様に説明してねってワインの特徴を話しながら。でもね、ワインのことよくわからないのにそのワインがどういう味でとか話されても理解しきれないでしょう。だから、ワインとは? といった基礎の部分からちゃんと教えようと思いました。

最初は各店、開店前やアイドルの時間を使いながらワインがどのように作られて、なぜその味がするのか、なぜ香りが大事なのか、どんな料理に合うのか、丁寧に講習していきました。自分がこだわりを持って、想いを込めて選んだワインを多くのお客様に届けたい、その思いが岩崎さんの中にはありました。

岩崎 自分が選んだワインを「いいね」って共感してくれる仲間が欲しかった。何でもそうだと思うんだけど、一人で完結できる仕事は少ない。ワインが好きです。ワイン売りたいですって言っても、一人でワインを売るわけじゃないよね。作ったワインリストを理解して共感してくれる人がいなかったら全然売れない。お客様にちゃんと届けるために売る側に武器を持たせないといけないなって思ったんです。

なりたい自分は何ですか?

岩崎さんのワイン講習では始まる前にアンケートの記入があります。Yes or Noといったものではなくしっかりとした記述式。冒頭1問目から「あなたのなりたい自分を教えてください」。バルニバービで必ずどこかで聞かれる「なりたい自分」をワイン講習でも聞かれる理由とは?

岩崎 その子がどういう子なのかっていうのを知りたい。今日何でこのワイン講習に来たのか、講習でワインのことを知ってお店でどんなことがしたいのか。それを見ながら講習を進めてます。興味が出るように進めたい。理想は、どんどんみんなから提案が出てくること。今もあるけど、もっと「岩崎さんこんなに美味しいワインを見つけました!」って報告がきたら最高かな。

参加しているスタッフが何を求めているのか、何をしたいのか。一人ひとりの参加の意図をくみ取りながら講習を進める岩崎さん。ソムリエを目指し受験するスタッフも年に数人いると話します。しかし、ソムリエの資格を取るには600ページにも及ぶテキストをひたすら勉強しなければなりません。一般営業に出る傍、試験の勉強の時間を作るのは難しい。

岩崎 私はね、ソムリエ試験の勉強の時間を割くくらいだったら、一緒にこのワインは何でこういう味がするのか、どんな料理に合うのかとか、そういった本質的な話をする方が重要な気がします。資格が先行すると、今の子って頭もいいし、要領もいいから多分取れる。でも、大変なのは資格を取った後。私自身そうだったけど、お客様から見られ方が変わる。本質を理解していないまま資格だけ取ったとしてもお客様には届かない。

その上で、一番最初にスタッフに伝えることがあると話します。

岩崎 ワインの事を勉強したいんだったら、まず誰よりも自分が所属するお店の味を知ってくださいって伝えてる。例えばミートソースでもシェフが変われば味は変わるでしょ。がっつり骨太な味わいなのか、それとも繊細な味わいなのか。合わせるワインも変わってくるから、まず料理の味を知ってからワインを選んで欲しい。

誰かを巻き込む力を持つこと

岩崎 ワインって今二極化しています。すごく高いかすごく安いか。バルニバービはカジュアルなお店が多いから比較的安いワインを選びがち。もちろんその中でも美味しいものを探すけど、やっぱり味に限界がある。仲間を増やしたいっていうのは、この限界の次の世界を一緒に知って探してくれる人が欲しいってことです。そのためには、味がわかるだけの味覚と嗅覚が必要、経験から生まれる感覚もね。そして、それが楽しくて見つけたワインをお客様に届けたいっていう想いが必要だから、私はそこを育てたい。「楽しい」「好きかも」そういう種をまいてる。

岩崎さんがまいた種がスタッフたちの中で芽吹き、大きな花になる。しかし、岩崎さんがずっと水をあげ続けてくれるわけではありません。

岩崎 やりたいことがあるのなら声に出して欲しい。何をやるにも巻き込む力が必要。一人でお店はできないし、本部の仕事だって一人ではできない。だから、発信して誰かを巻き込む。私はGARB 江ノ島時代の同期に「好きなことやるのってめっちゃ大変なんだからな」って言われたのが忘れられない。好きなことをやるためには好きなことを応援してくれる人が必要だから、応援してくれるように普段の姿勢が大事なんだよね。バルニバービではいくらでも好きなことをする、なりたい自分になる可能性は絶対にある。でも、可能性をつかめるだけの自分になることが重要なんだって忘れないで欲しい。

WRITER BALNIBARBI GROUP

バルニバービグループで食を通して「なりたい自分」を体現している仲間、「なりたい自分」を邁進している仲間、「なりたい自分」を見つけようとしている仲間のリアルな今の思いや、食に通ずる情報を発信していきます。 お店の業態は違っても、「ライフスタイルに自然に溶け込む地域に根ざした店づくり」というコンセプトは同じ。 その想いに沿ったどこにもない価値を提供しています。 「道のある所に店を出すのではなく、店を出した後にお客様のくる道が出来る」 それが私たちの目指す姿です。