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『何故今 地方創生を佐藤は口にするのか? これからの時代、心豊かに暮らすための ささやかな提言』第七回

『何故今 地方創生を佐藤は口にするのか?
これからの時代、心豊かに暮らすための ささやかな提言』
第七回

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前回は淡路で始めた一歩を映像と共に見ていただいたところで終わりました。

我々は未だ休業や時短・アルコール販売無しという対処を強いられている中ですが、人と人とが介在しなければ成立しないこの飲食業を愛し、単に仕事だからと言うのではなく、この仕事の中に何かを見つけてしまったがゆえに頑張ってきた仲間たちと、そしてこんな文字ばかりの長いブログをわざわざ読んでいただいている方々と共に覚悟の一歩を歩んで行けたらと願っています。

僕なりの稚拙な考えはその現状打破の行方として地方創再生に行き当たりました。

そしてもう一度全国の様々なエリアを検証しこの国の良さを見つめ直し、嘆いたり怒ったりせず思いを込めて歩み出したいと考えています。

淡路島の開発は単に僕が少し離れ寂れたエリアで事業を始め、そこそこうまくいっているというプチ自慢小話を伝えたいのではありません。一歩立ち止まり深く息を吸い込み覚悟を決めて歩み始めれば、諦めたり嘆いたりするのではない自らの思いを込めた未来が見えてくるのではないだろうかと考えた一人の中年男の奮闘記です。
コロナさえなければそんな地方創再生の道はわざわざ皆で歩まずに済ませられたかもしれません。
けれどコロナの『せい』か『お陰』か分からないけれど地方創再生には歩むべき未来が横たわっていることを多くの方々が気づくことになりました。もっと言うと都会での暮らしに息苦しさや行き詰まりを感じている方。もうどうしようもなくなっている方、諦めモードの方(このブログを読んでいただいている方々の多くはそうじゃないでしょうけれど・・・)、全然大丈夫です。
地方には生きるという喜びを取り戻せる可能性があります。
淡路島を足がかりに地方から始まるアフターコロナ時代の心の創再生物語です。
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何故、人は都会に住みますか?生まれた地方都市を出て行きますか?故郷を捨てますか?それぞれに事情や思いがあるはずですが大きくこう集約されるのではないでしょうか?

『退屈ー面白くない・・情報・レジャー・エンタテインメントの不足』『窮屈ー閉鎖された狭いコミュニティ』『可能性のなさー修学や就職の機会の少なさ』『寂しさー親交や恋愛対象者の少なさ』といったところでしょうか?

現状では確かにそうなのだと思います。人口減の社会ではますますこれらのネガティブ要素が大きくなってしまいます。高度成長期の大都市機能形成過程ではそれをむしろ促進し都心部への多くの労働力を地方が供給してきたのですがそのベースをこのコロナは崩してくれたのです。『毎日通勤しなくてもいい』『会議はウェブで』『密にならないように』ということはつまり現在我々が進めている地方創生においての動きかたでもある地方回帰を促進してくれそうです。
デジタル・IT革命からのDXが背景にあるからこその可能となった生き方、働きかたの変革が今行われているのです。


この秋から冬にかけて淡路島の我々の海沿いのカフェやホテルのあるエリアから自転車で5~10分程度のところに6~70名が使えるコワーキングスペースと14部屋の宿舎を作ります。コワーキングスペースには会議室やテラスの広いカフェ・ダイニングが併設され、宿舎は各個室は狭いですが皆で集えるリビングルーム・テラス・サウナ小屋やジャグジーも設置します。
海岸線まで徒歩でも行け、神戸市まで車で1時間かからず(渋滞なき場合)三ノ宮駅からは施設前の停留所(ガーブコスタオレンジ前)まであるバスがこの春から運行開始しており、週一~二回の通勤なら問題なく住めます。ましてやG・Web・インテリア・デザイナー等であれば通勤はなく、むしろクライアントがこちらへ来ての海を見ながらの打ち合わせを心待ちにしてくれるそんなことにもなりそうです。

宿舎は水光熱費・サウナ利用等込みで5万円までの設定になりそうです。ただし部屋は狭いです。コワーキングは比較的余裕があるので条件等はこれから設定します。また車での移動になりますがそのエリアでレンタル農園も始めます。自ら栽培した野菜でのサラダ生活も可能です。近くに夜な夜ないけるバーや屋台のラーメン屋も年内に開業させます。ほら少し面白くなって来ていませんか?来週はこの辺りを詳しく書いていきます。

WRITER 佐藤 裕久

京都市上京区生まれ。神戸市外国語大学英米語学科中退、1991年 バルニバービ設立、代表取締役に就任。現在、東京・大阪をはじめ全国に90店舗(2021年1月末時点)のレストラン・カフェやスイーツショップを展開。著書に『一杯のカフェの力を信じますか?』(河出書房新社)『日本一カフェで街を変える男』(グラフ社)がある。