STORY

『何故今 地方創生を佐藤は口にするのか? これからの時代、心豊かに暮らすための ささやかな提言』第九回

『何故今 地方創生を佐藤は口にするのか?
これからの時代、心豊かに暮らすための ささやかな提言』
第九回

ストーリー検索
前回は淡路での取り組みの具体例を少しばかり書きました。

僕が地方創生に取り組む前提は『自らが主体であること』です。

今回のコロナ騒動でも結局、お上から出てくる自粛要請や、ワクチン接種システム・スケジュール等々全て言われるがまま、『自らの思いやスタンスは放ったらかしにして、仕方なく指示を受け入れて、日々の暮らしを彷徨う』みたいな形になっていることが苦しい。

不満や不安を感じつつも受け入れざるを得ない。

基本的に愚痴は言うまいと決めた僕でも、あまりにそのデタラメ(に少なくとも見える)なやり口には呆れ果てる。この緊急事態宣言の延長、再延長って街場の我々の営みを、彼ら為政者そして不安を悪戯に煽るマスメディアはどう考えているのでしょう。これにより、どれだけの多くの方々-結婚式を始め、ありとあらゆる集いや、大小問わずイベントの主催者側、列席予定者、参加者、子供達、会場サイド、設備や段取りの制作関係者-を困惑させ疲弊させ、落胆させているのかと言うことを彼らは何と思っているのでしょうか?

ちなみにささやかな話としても僕の友達の誕生日会は三回リスケしています。これをたかがというなかれ、おさえられている会場からしたら、絶望的な状況であることを理解してくれないですか?覚悟を決め、ある程度の長丁場になっても、この国の民は歯を食いしばり、明日への希望をつなぎ、乗り越えていきますよ。そしてその甲斐あって『緊急事態宣言期間を短くできました。国民の思いのおかげです。短縮します』と言うことと、『小出しで延長、誤魔化すように再延長』とがどれほど違うのかさえ、この国の為政者たちにはわからない。知見もなければ(有ると言って欲しい)、情報分析もできず(出来ると言ってくれ)、混乱している(整理はついていると感じさせてくれ!)のだとしたら、一刻も早く我々は自らの意思で生きると言う思いを取り戻すためにも、この絶望感から自らを解き放つためにも動く時です。

『愚痴は言うまい進むべし!!』の覚悟を大きく深呼吸した胸に抱き、その進みかたのオプションの一つとして地方創生を設定しているというのなら、何から手をつければいいというのか?を今週は書きます。

まず個人の尊厳、生きるということを手元に引き寄せるために、これから話す3つのことを掌握できれば最低限のレベルはクリアできると考えています。

『食』『住まい』『エネルギー』です。

そしてそれらは僕の進める地方創生には織り込んでいます。

現在営んでいる施設(レストランやホテル)を見て、そんなこと何も感じられないとお叱りも受けています。でもそれは違うんだなぁ!まずは何もない(ように見える)エリアにおいて人の生業を見せ、興味を持ってもらい、足を運んでいただき、その街への意識を育み、ハードルを少しづつ下げていき、思いを共有できる人(仲間)を焦らず増やしていく。

そして地域に元々お住いの地元の方々とジワジワ交じり合い、融合しながら街としての歩みを進めていくべきだと考えているからです。

そのために現在の手がけている淡路島郡家エリア以外にしっかりしたボリューム(郡家の何倍も)で土地も仕込んでいますから。5年や10年はかかるよね?けれど僕は進みます。我々の人生を我々の手元に取り戻すために!あてにならない(ように見えてしまっている)国に寄りかからないために!

まず『食』ですが、自らの食材を自らで一部でも生産出来ること、これは強い!現在の近郊エリアでのレンタル農園の活況はこのことを表しています。

そんな中、僕たちなりのレンタル農園開設の準備もしています。単身で、家族で、食べれる野菜やお米を育ててみましょう。これも一人ではなかなか大変です。いきなり予備知識・経験なしでは途方にくれますし、長期の出張や旅行にも行けなくなってしまう。これでは幸せ度も半減します。けれど思いを共有できる仲間がいると乗り越えられるかもしれません。そのためにはDXも取り入れましょう。思いを同じくした仲間で助け合いましょう。仕組みづくりさえしっかりすればできるはずです。

試行錯誤しながら、ともに未来の礎を作っていきませんか?まずは僕がやって見せます。何もない荒れ野原に覚悟してレストランを出したように。そのためには農業を現在やっておられる方、かつてやっておられた方に力を貸してもらいましょう。指導してもらいましょう。そして前回書いたように収穫祭を皆でやりましょう!天候に恵まれ豊作ならば、我々の店で余った野菜を引き取ることも、仲間同士で交換することもあるでしょう。逆に自然災害にて被害を受けたり、天候不良で凶作になることもあるでしょう。それも同士が居れば乗り越えていけるはずです。

その段取りは僕たちが頑張ります。そして仲間を募集します。

いきなり移住じゃなくていいんです。現地を見にくるだけでも施設を利用するだけでも大丈夫!何か一歩始めませんか?僕がいるときは案内しますし、現地の仲間が案内もできます。バラバラだと辛いので月一回とかにまとめさせてもらいたいですが(笑)

次回は『住まい』『エネルギー』に触れます。

添付写真は4月にオープンしたピクニックガーデンと、購入してこれから地域のセンター的役割を担うため改装に入る廃校『旧尾崎小学校』です。

WRITER 佐藤 裕久

京都市上京区生まれ。神戸市外国語大学英米語学科中退、1991年 バルニバービ設立、代表取締役に就任。現在、東京・大阪をはじめ全国に90店舗(2021年1月末時点)のレストラン・カフェやスイーツショップを展開。著書に『一杯のカフェの力を信じますか?』(河出書房新社)『日本一カフェで街を変える男』(グラフ社)がある。