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『何故今 地方創生を佐藤は口にするのか? これからの時代、心豊かに暮らすための ささやかな提言』 第十一回

『何故今 地方創生を佐藤は口にするのか?
これからの時代、心豊かに暮らすための ささやかな提言』
第十一回

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前回は番外編として『報道とは・・・』という形でお送りしました。少しその続きから始めます。

前回の投稿は、何よりも『報道が真実を伝えているのか?』もしくは、我々は『報道をどう読み解くのか?』という趣旨での投げかけでした。どんなものも切り貼りすれば全く逆の結論も容易に導けます。

『話』には起承転結があり、『転』だけ拾えば逆の結論になることは容易に想像できます。そこを発信者の意図と『違がおう』と、『全く逆の結論であろう』と、関係なくメディアサイドの思惑と作為で編集できてしまうということの実証例として、前回の動画を見ていただけたのならと期待しています。

そしてここで一度立ち止まって考えてみましょう。

いよいよオリンピックも有観客での実施はほぼ決定的となり、緊急事態宣言は沖縄を除くエリアで蔓防へと移行した中での我々のスタンスのあり方を!

時に政府・自治体の方針や要請に対し、『阿保』だの『馬鹿』だのという発信をみていると本当にそうなんだろうか?と感じます。国民・都民、強者・弱者全ての者に思いや考えを巡らさねばならない為政者の発信を、一面的にみてアホバカ呼ばわりは・・・僕は為政者がアホバカと思ったことはありません。

1億2千万人もの人が一つの島国で生業をなしているなか、万人に都合良い政策など存在するわけはなく、自らの立ち位置にそぐわないものだとしても、国民全体に必ずしもそぐわないという訳ではないからです。

勿論僕も様々な施作や要請に『そりゃないぜ!!』と感じ、『やってられないよ』と嘆き苦しむ夜もあります。けれど、もしそれが我々の商行為への誤解や認識不足の結果なのだとしたら・・・前回の記者会見も『我々食に携わる者たち』の現状や実態を、できるだけ正確に伝える機会は必要だな、と考えた末のことです。非難や罵倒ではなく、利害関係が一致しないグループとも、誤解を恐れずに言うならば『折り合い』をつけ、より良い社会・希望ある社会を形成していくことの一端を担いたいと考えているからです。

勿論僕は単なる一商売人。自身がやりたいこと、楽しいことしかしないと決めている中、聖人君主的な思いは全くなく、快楽主義者として、ニヒリストとして、時に怠惰に、時に反道徳的に、けれど少年の頃から変わらぬ、稚拙だがわかりやすい直向きさで進んでいこうと考えています。

それこそ子供達の笑顔や懸命に生きようとする姿を見ながら、『おじさんたちも頑張るからな!』と心の中で叫びながら。

そのためには国や自治体や誰か他人に何かをやってもらうことを期待するのではなく、ましてや彼らのアクションを愚痴るのではなく、自ら動くことから始まる物語(それを僕は新しい形の地方創再生と呼んでいます)を紡ぐことです。その中で書き始めていた『人の尊厳の前提3項目 食・住処・エネルギー』のエネルギーに関して、第十回連載の続きから書きたいと思います。

僕は地球環境行動会議の委員をやらせていただいています。実行委員会が本日行われました。そこでも議論されたことですが、もはや国際間において、環境問題はそれを抜きにしてのあらゆる活動は考えられない喫緊の事態となっています。我々も広範囲に渡るSDGsへの対応含め、環境問題へのアプローチは社会における役割という立場も含め取り組んでいます。

淡路島で進めているプロジェクトでは、エリア内の生ゴミはほぼ全てバクテリア分解し、一切ゴミ回収に出していません。これはみなさんがご家庭でも簡易システムで出来ます。ぜひ始めて欲しいです。どれだけの意義があるかを少し述べます。生ゴミの過半は水分です。その多くの水分を含むゴミを焼却場で燃やしているのです。焼却の際、必要とされる燃料と結果発生するCO2の環境に与える影響は、バクテリア分解による水とCO2の数十倍です。なにせ水分を燃やしているのですから!

これなどは各人ができることです。ゴミ問題は社会問題であるようですが、実は個人問題なのではないでしょうか?またエネルギーに話を戻しますと、実は再生可能エネルギーは太陽光発電と風力発電においては、比較的小規模にての採用が可能です。よく家庭の屋根にある太陽光パネルがそうですね。また風力においては、よく地方で目にする風車のような巨大なものを見て無縁なことと考えがちですが、タービン型やジャイロ型なんかも出てきています。集合住宅ではなかなか難しいことも、一軒家での居住がスタンダードな地方では取り組みやすいからこその力の見せ所。

添付資料は寮のテラスのイメージと、一度触れましたが我々が営むその名も『カモメスローホテル サスティナブルコテージ』。図のような省エネルギーの見地から設計し、運用している物件です。この見地から見ても地方が国を救うという言い方も、あながち言い過ぎではないという時代もすぐそこなのでは??

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WRITER 佐藤 裕久

京都市上京区生まれ。神戸市外国語大学英米語学科中退、1991年 バルニバービ設立、代表取締役に就任。現在、東京・大阪をはじめ全国に90店舗(2021年1月末時点)のレストラン・カフェやスイーツショップを展開。著書に『一杯のカフェの力を信じますか?』(河出書房新社)『日本一カフェで街を変える男』(グラフ社)がある。