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ワインを知る旅。ジョージア編 #1

ワインを知る旅。ジョージア編 #1

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今回訪れたのは、「ジョージア」! …どこそれ? と思われた方が多いのではないでしょうか。 実際私も「ジョージアに行ってくる!」と言って「…コーヒー?」とほとんどの人に言われました。 簡単に解説をしますと、 ジョージアは2015年までグルジアと呼ばれていた国。 東ヨーロッパもしくは西アジアにカテゴライズされるヨーロッパとアジアが入り交じる場所にあります。 南にはトルコ、北にはロシアがあります。 数千年前から変わらない文字を使い、言語もジョージア語という、独自の文化を築いています。 日本人の1%しか訪れたことがない国だそうですので、 知らない方が多いのは当然ですね。 でも!ワインにおいては非常に重要な国であり、 ワイン業界では近年注目が高まっているのです。 なぜならば、ジョージアは8000年も前からワイン造りを行っている、ワイン発祥の地とされているからです! そしてそのワインの造り方も独特で、クヴェヴリという甕を使って仕込むのが伝統的なやり方です。 ちなみにこのクヴェヴリを使ったワインの製法が2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。 ジョージアの説明だけでずいぶん長くなってしまいそうですのでこのくらいで。 という訳で、大きな期待と若干の不安を胸に(治安があんまり良くないとか…)、ジョージアへと行って参りました。 ジョージアのワイン造りといえば、クヴェヴリ(甕)! 今回はまずこのクヴェヴリについてお話したいと思います。 クヴェヴリを使ったワイン造りは知っていましたが、実物を見るのはもちろん初めてです。 4世代続くクビラシュヴィリ家の工房を訪問。カヘティ地方で最大の都市テラヴィから15分程度の村にある、外から見るとただの一軒家です。 今回クヴェヴリ職人にも会うことができて旅の序盤からテンションが上がります。 レニーとザザの父子が、年間に40個程度を製造しているそうですが、1個を仕上げるのに2か月もかかります。 サイズは20L~2000L程とかなり幅がありますが、2000Lの標準的なサイズで400ドル。手間暇を考えると、かなり安い。 手造りのため、大量生産は当然無理です。 全て手作りのオーダーメイドなので、サイズなどはワインメーカーが細かく指定できます。 どんなクヴェヴリを使うかによって、ワインの仕上がりに大きく影響するので みなさん細かく指定されるそう。 これを聞いてからは各ワイナリーに訪問した際にはどんなクヴェヴリを使っているのか興味津々でたくさん質問させていただきました。 人によってこだわりポイントが違うので、何が一番良いのかはわかりませんでしたが、 ワインが漏れないようにするためのクヴェヴリの内側の加工や、 強度を上げるための外側の加工、更には焼き上げる温度まで様々な工夫がなされています。 写真は完成後の1000L、そしてそのクヴェヴリに入って楽しむ某ソムリエ。
私もスカートじゃなければ入りたかった…。笑 クヴェヴリはかつては地上に設置されていたそうですが、 地震で破損してしまったことがあったため(そりゃそうだろう)、 現在では地中に埋めて使われています。 このクヴェヴリに収穫したブドウと酵母を入れ、蓋をすればワイン造りが始まります。 蓋はガラスのものや、スレートが多かったです。 そして、ジョージアのワイン造りの大きな特徴のひとつが、 ブドウの皮や種と液体(果汁からワインになった状態のもの)をクヴェヴリに入れておく期間が非常に長いことです。 そもそも通常の白ワインは皮や種を取り除いた果汁のみを発酵させてワインをつくりますが、 ジョージアでは白ワインも赤ワインも、皮も種も一緒にクヴェヴリに入れます。 そして通常ならアルコール発酵後すぐに、もしくは長くても数日以内に皮や種と液体は分離し、 上澄みを別の容器(木樽やステンレスタンク)に移して熟成させますが、 クヴェヴリに入れたブドウはアルコール発酵後も約半年はそのまま液体と一緒にしておきます。 これをマセラシオン、と言いますが、この長い期間で白ワインに皮の色が移り、 ゴールドに近いような、オレンジ色に近いような濃い色のワインとなるのです。 これが、最近注目されているオレンジワイン(アンバーワイン)です。 アンバーワインはどんな味がするのか、そのワインの造り手たちはどんな人なのか… は次回に続きます。

WRITER BALNIBARBI GROUP

バルニバービグループで食を通して「なりたい自分」を体現している仲間、「なりたい自分」を邁進している仲間、「なりたい自分」を見つけようとしている仲間のリアルな今の思いや、食に通ずる情報を発信していきます。 お店の業態は違っても、「ライフスタイルに自然に溶け込む地域に根ざした店づくり」というコンセプトは同じ。 その想いに沿ったどこにもない価値を提供しています。 「道のある所に店を出すのではなく、店を出した後にお客様のくる道が出来る」 それが私たちの目指す姿です。